事故内容

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事故品全体の写真 事故部分の写真
品名
婦人スーツ

状態
スーツの生地全体から白色の繊維が吹き出して、毛羽が付着したような状態に見えている。吹き出している繊維はゴムのように伸び縮みするポリウレタン糸で、生地は伸縮性のあるストレッチ織物となっている。

素材
毛96%・ポリウレタン3%ポリエステル1%

取扱い絵表示
107 202 303布402

処理方法
石油系溶剤ドライクリーニング、スチーム仕上げ。

ポリウレタン糸の特徴

・ポリウレタンは時間経過とともに劣化する性質がある。
・ポリウレタンの劣化は着用環境、条件、洗濯(クリーニング)条件などによって促進される。
・一般的にポリウレタン糸が劣化する要因として
  1.紫外線(日光など)の影響
  2.塩素による影響
  3.汗、皮脂、ボディオイルなどによる影響
  4.カビ類による影響
などがあり、これらの作用と伸縮などによる物理的作用の複合的な作用によるものが多い。

防止方法

アパレル

・製品の製造年や生地の製造年を表記する。
・消費者に対してポリウレタンの特性や取扱い方法の小冊子・タグ等を作成し配布する。

消費者

・ポリウレタン素材は経年劣化することを理解する。
・クリーニングに出す前に製品外観を確認すること。

クリーニング

・クリーニングの受付時に、皮脂が触れるところや摩擦を受けやすいところをチェックする。劣化している部分を発見した場合はお客様にお伝えして、クリーニング時のリスク説明をする。

日繊ク協の考え方

ポリウレタンの劣化は避けられない現象である。またアパレル業者やクリーニング業者にとって、上記の「防止方法」も簡単ではない。
アパレル業者やクリーニング業者は、ポリウレタンに劣化特性があることを消費者に伝えていく必要があり、消費者は、衣料等には製品寿命があることを理解する必要がある。