日本繊維製品・クリーニング協議会 略称:日繊ク協(ニッセンクキョウ)

保管中のガス(酸化窒素ガス)による変色

事故内容

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事故品全体の写真 事故部分の写真
品名
ダウンジャンパー

状態
クリーニング後、半年間保管し着用しようと思ったら、衿、袖、袖口、裾などが主にオレンジ色に変色している。変色の特徴的な傾向として、袖山や裾の折り返し部分など保管時に外的環境に晒される部位に変色が認められた。

素材
表地  ナイロン100%
裏地  ナイロン100%
中わた ダウン 90%、フェザー10%

取扱い絵表示
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処理方法
石油系ドライクリーニング20℃・10分、60℃の乾燥室内での乾燥、スチーム仕上

 

製品特徴と原因

保管中の変色事故は「光」「酸化窒素ガス※」が要因となるケースが多い。それぞれの特徴を以下に示す。
「光」の場合は、影になる部分や裏側は本来の色相が残っており、変色部と正常部の境界線は直線的で且つ明瞭であることが多い。
「ガス」の場合は、表生地の裏側まで変色するケースが多く、正常部と変色部の境界線はぼやけている。また、水分や油分が生地上に残存していると局部的に吸収し、変色を助長することもある。
変色部位としては折りたたみのキワや吊るした時の外側に発生することが多い。
※印:酸化窒素ガスは物質が燃焼する際に発生するガスである。

防止方法

アパレル

ガスによる変色の堅牢性を確認するケースは少ないが、ナイロンやアセテート素材はガスによる影響によって変色しやすいといわれている。また、ガスによる変色は染料の性能によるところが大きいため企画段階において、以前の企画に同様の素材を使用した場合の事故事例を確認していただきたい。

消費者

ガス(窒素酸化物)は燃焼時に発生する事が知られているため、石油ファンヒーターなどの暖房器具を使用する環境下における保管には注意していただきたい。
また、ガスは水分に吸収されやすい性質があるため、保管前には十分に乾燥して保管していただくことが望ましい。

クリーニング

変色がしていないことを確認し、引渡しを行う。

日繊ク協の考え方

ガスによる変色は生地性能、保管環境、クリーニング後の引渡し時の確認など各者に誘発する要因があることが言える。
ガス変色のリスク低減の一つとして、各者が上記の素材特性、保管環境・条件、十分な処理に留意していただきたい。
クリーニング品をお預かりした時に変色を確認した場合は、汚れなどの変色とは異なるので、色の復元は困難であることを消費者にご理解を賜ることもトラブル回避のひとつであると考える

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