日本繊維製品・クリーニング協議会 略称:日繊ク協(ニッセンクキョウ)

ナイロンの黄変

事故内容

事故品全体の写真 事故部分の写真
品名
ジャンパー

状態
春にクリーニングをし、秋になり着用しようとして出したところ、全体的にごくうすく黄色味がかっている。肩や袖山の黄変ははっきりとしている。フードで隠れる後身頃上部や脇下、袖口の内側などは変化していない。

素材
ナイロン

取扱い絵表示
202

 
 

処理方法
ウェットクリーニング、タンブラー乾燥 60℃・30分

 

製品特徴と原因

淡色のナイロン素材は、黄変する事故がしばしば見られるが、考えられる原因は次の通り。

1.窒素酸化物(NOx)は、燃焼時に発生する酸化性のガスであり、このNOxガスによりナイロン繊維が酸化され黄変する。表地だけでなく裏地まで、ガスが入り込める箇所で発生する。
2.光(紫外線)を長時間浴びると、ナイロン繊維が酸化され黄変する。光が当たる箇所で発生する。
3. NOxガスや紫外線による黄変現象において、湿度の高い環境で保管されると更に黄変が助長されることがある。

ナイロン素材だけでなく、どの素材でも起こり得る黄変原因は次の通り。

1.皮脂や汗が付いたまま放置しておくと、空気中の酸素により酸化し黄変する。特に衿・脇下・袖口で発生しやすい。
2.酸化防止剤の1種であるBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)により黄変する。BHTはビニール袋等の包装材の劣化を防ぐため使用されることがあり、昇華現象により繊維に付着し、NOxガスとの反応で黄変物質に変化する。包装材に接触している箇所に発生する。
3.段ボールや紙に含まれるバニリンにより黄変する。バニリンが昇華現象により繊維に付着し、NOxガスとの反応で黄変物質に変化する。包装材に接触している箇所に発生する。

防止方法

アパレル

1.耐光堅ろう度試験や窒素酸化物堅ろう度試験にて、事前に生地の評価を実施する。
2.ビニール袋等の包装材にBHTが含まれていないものを使用する。
3.光やガスに対する注意表示を付ける。

消費者

1.光に当たる場所に長時間放置しない。
2.ストーブなど燃焼ガスの発生する場所に長時間放置しない。
3.長期保管時は、風通りの良いところに保管するか、定期的に風に当てる。
4.汚れが付着した場合は、直ちに洗う。

クリーニング

1.受付時に、黄変している部分がないか確認する。
2.黄変している部分は、洗っても消えない場合があることを説明する。

日繊ク協の考え方

包装材等の接触による黄変原因を取り除くため、BHTが含まれていないビニール袋を使用し、段ボールには直接製品を入れないようにする。

長時間光の当たる場所やストーブのある部屋に保管しない、黄変すればクリーニングで元に戻らないこともある等、消費者に注意喚起を行い、理解させる必要がある。

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