日本繊維製品・クリーニング協議会 略称:日繊ク協(ニッセンクキョウ)

ベルベット調素材のパイルの脱落

事故内容

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事故品全体の写真

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事故部分の写真

品名
紳士ジャケット

状態
クリーニング後に、各所が傷状になっている(パイルの脱落)ことに気付いた。脇縫い代や肩パット沿いが目立つほか、見返しには点々とした傷状部もある。

素材
表地:綿84% レーヨン15% ポリウレタン1%
裏地:キュプラ

取扱い絵表示
107202303布402

 
 

処理方法
石油系溶剤ドライクリーニング(タンブラー乾燥60℃・30分)

 

製品特徴と原因

パイル組織のイメージ図(断面∨型)

pile

  • ベルベット調の、表面がパイルに覆われた生地は、摩擦によってパイルが脱落しやすい。特に、パイル形状がV型のものは、W型よりも脱落しやすい。
  • 裏面からの摩擦には特に弱く、縫い代やパット類の端、ポケット袋が重なる部分などはダメージを受けやすい。
  • 一部のパイルが脱落すると、織組織が粗くなり、周辺のパイルも脱落しやすくなる。
  • 着用時には生地に圧が加わった状態で摩擦作用が加わりやすく、パイルが脱落しやすい。
  • 着用ジワの凸部、バッグ類が接触したり衣類同士が擦れやすい部分などは、パイルが脱落しやすい。
  • パイルは主に、着用中の摩擦によって脱落した可能性が高い。クリーニングの揉み作用によって、パイルの脱落が進んだ可能性もある。

防止方法

アパレル

  • 裏地を付け、裏面からの摩擦を低減する。
  • V型よりもW型パイル、織糸密度は粗いよりも密なもの、裏面に樹脂を塗布してあるなど、摩擦によるダメージが生じにくい素材を使う。
  • パイル保持性試験にて、事前に性能確認試験を行う。
  • 摩擦によってパイルが脱落しやすいことを、アテンションタグや縫い付けラベルに記載するなどして、素材の特性を消費者に伝える。
  • 縫い代やパット類の端がなるべくなめらかになるような構成にする。
  • 用途やアイテムのゆとりを考慮して企画する。

消費者

  • ベルベット調素材製品は、摩擦によってパイルが脱落しやすいことを理解する。
  • 動きの多いシーンには着用しない、カバンなどが擦れないようにするなど工夫する。
  • 摩擦軽減の為、適度にゆとりのあるサイズを購入するようにする。

クリーニング

  • ベルベット調素材製品は、パイルが脱落しやすいことを消費者に伝える。
  • 受付時の状態確認を十分に行う。
  • クリーニングネットに入れる。

日繊ク協の考え方

アパレル業者やクリーニング業者は、ベルベット調素材やコール天素材などのカットパイル素材の製品は、摩擦によってパイルが脱落しやすいことや、クリーニングをすると一層脱落する可能性があることを消費者に伝えていく必要があり、消費者は、この特性を理解する必要がある。

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