事故内容

06 07
事故品全体の写真 ブラックライトを当てたときの写真
品名
コート(ベージュ色)

状態
太陽光の下でみると所どころ白く見える部分がある。

素材
表地 綿75% ポリエステル25%
裏地 ポリエステル100%

取扱い絵表示
107202302布401

 
 

処理方法
パーククロロエチレンによるドライクリーニング
タンブラー乾燥(60℃・30分)

 

製品特徴と原因

綿のコートは市場に多く採用されているアイテムである。本製品は綿にポリエステルを混紡して強度を増したもの。
この事故事例は蛍光増白剤が付着し色が変化したもので、屋内では目立たないことがあるが、太陽光の下で変色に気づくことが多い。
今回の事故事例は着用中にコーヒーやジュースなどをこぼし、消費者が自分で水洗いの洗濯を行ったり、洗剤を使用して部分的にシミ抜きをしたものと推定される。使用した洗剤に蛍光増白剤が含まれていて洗濯時またはシミ抜き時にムラ付きとなり、色の変化として気づかれたものと考えられる。

防止方法

消費者

消費者は取扱い絵表示に従い、ドライクリーニングに依頼すること。
水洗い可の表示の洗濯を行うときは、使用する洗剤などの容器に記載されている成分を確認し、蛍光増白剤が配合されていない洗剤を利用する。
上記組成の製品で、絵表示が「水洗い不可」「ドライクリーニング可」で淡色系のコートの場合であっても、蛍光増白剤による変色について注意表示を付記することが少ない。

アパレル

特になし

クリーニング

クリーニング店でお預かりの時点でなかなか未然に防止できる事故事例ではない。
蛍光増白剤が含まれているドライソープは非常に少なく、クリーニング店の取扱い上の問題とは考えにくい。しかし自社で使用しているドライソープに蛍光増白剤が入っていないことを調査しておくことは必要である。

日繊ク協の考え方

この事故事例は消費者の取扱いミスと考えられる。しかしながら、このような事例の場合消費者に原因についてきちんと説明できるよう、アパレルは事前試験時の元生地をクリーニング店に提供し、色目を確認してもらい、蛍光増白剤の使用によって変色が発生することを説明することも必要である。