日本繊維製品・クリーニング協議会 略称:日繊ク協(ニッセンクキョウ)

合成皮革の樹脂の剥離

事故内容

事故品全体の写真 事故部分の写真
品名
合成皮革のジャケット

状態
春にクリーニングをし、秋にクローゼットから取り出したら、左袖の肩付近や袖口付近などのコーティングが剥離していた。

素材
表地 合成皮革
裏地 ポリエステル100%

取扱い絵表示
107202

処理方法
石油系ドライクリーニング

 

製品特徴と原因

・コーティングなどに使用する樹脂は、経時変化により劣化する性質がある。(空気中の湿気などの水分の存在によって加水分解を生じるため。)この反応は、酸、アルカリ性物質の存在下、また皮脂の付着などによって促進される。
・経時変化による劣化したために、剥離・破損した。
・経時的変化による劣化は、一般には製造後2~3年以降の製品に生じやすい。

防止方法

アパレル

・コーティング加工素材であること(できれば樹脂の種類も)と、製造年度を調べられる記号を下げ札や縫い付けラベルに表示する。
・「商品特性」「経時変化による劣化現象」等の取り扱い注意表示を下げ札や縫い付けラベルに表示する。
・「商品特性」「経時変化による劣化現象」等について、販売員への情報提供と教育を行い、販売時に消費者へ情報提供する。

消費者

・樹脂の劣化特性を理解して、購入し、取り扱う。
・皮脂を残留させない。(汚れがあればすぐに除去する。)
・高湿度環境で保管しない。
・素材同士を密着させて保管しない。

クリーニング

・樹脂コーティング素材の、経時変化による劣化現象について、日常的に消費者に情報提供をする。
・受付時に、樹脂の劣化特性を説明し、ダメージが生じる可能性について了承を得てからクリーニングする。

日繊ク協の考え方

・アパレル業者やクリーニング業者は、樹脂に劣化特性があることを消費者に伝えていく必要があり、消費者は、樹脂素材の寿命が繊維部分よりも短いことを理解する必要がある。
・クリーニング事故賠償基準の考え方では、お渡し後6か月を経過したときは、クリーニング業者は本基準による賠償額の支払いを逃れることになっている。
・クリーニング事故賠償基準では、合成皮革製品の平均使用年数は3年である。これを基にすると、合成皮革部分の樹脂劣化による剥離は、販売から3年経過したものに対しては、やむを得ないとも考えられる。

PAGETOP