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ファッション性の高い被服などを企画・製造・販売するのがファッション産業です。被服はファッション産業のなかできわめて重要です。アパレル産業の特色は被服という物を媒体とし、服装という形で流行(あとで説明します)という情報を提供することであると考えられます。

服装というのは物である被服が人間に着られてはじめて成り立つものです。このとき被服が意識されて人間に着られて、その結果として着ている人の人格が表れそれが他人に認められて服装となります。したがってマネキン人形が被服をつけている姿は服装とは言えません。また、猿に子供の被服を着せた姿も服装とは言えません。

しかし中世の西欧の騎士が闘技会を行うとき、騎馬にも騎士の衣裳と調和する衣裳、または同じデザインの文様で装飾した衣装をつけさせて競技を行っている絵などを見ることがありますが、この馬の衣裳はもとより馬の衣裳ですが、これに乗る騎士の地位、個性や能力を表している様子が認められれば、これは騎士の服装の延長として考えることができます。

服装とは、人体に着装されて被服自体の特性とこれを着た人間の特性とが総合された個性的な装いのことです。したがってまったく同一の被服を着ても人が違えば服装として異なったものになります。

日本繊維製品・クリーニング協議会 会長 角田光雄