photo credit: Roo Reynolds via photopin cc

いったん着た被服を脱ぐことによってその下の被服あるいは人体を現わし出すことも、人体の装いの手段となります。3つの基本的な方式と特異な脱衣があります。

被らくという脱衣について

ある効果を考えて着装した被服類を脱衣するのは、放熱上の要求、身体の軽快化、動作の能動化、あるいは水浴や入浴の目的などによって自然発生的に行われる脱衣のことです。脱衣の結果として、外衣・表衣の下に着ている内衣が表に現れることもあり、皮膚が裸出する場合もあります。これらの脱衣は、対外的なことに対して企図したのではなく、その人の生理衛生上の欲求、生活防衛上の便宜によるものです。

剥ぐという脱衣について

服装を整える、つまり装身の目的で装った被服を剥ぎとって装飾効果を示す手段としての脱衣のことです。一種の開示ということです。脱衣の手段は、対外的な効果のみを企図したものです。例えば、上着を肩脱ぎしてその下に着ている魅力を顕示したり、外衣をまくり上げて豪華な内着を見せたり、また歌舞伎の引き抜きのように表衣を剥ぐことによって内衣の美しさを示す衣装変化によって装身効果を表す脱ぎ方です。

除くという脱衣について

礼節のために体の一部を被うことを目的とした被服を除く場合です。またこの脱衣によって下から現れる姿態に好奇の期待などを誘引するときも除くという脱衣です。特に女性の肢体美を呈示するために可能な範囲の皮膚を裸出するような舞台服装などにもその例が見られます。

特異な脱衣について

儀礼の場で、帽子・外套・手袋・羽織などの外装をとる場合が1つの例です。これは対人礼節として普通のしきたりです。しかし婦人の帽子・礼装用の手袋などが装身具として認められている場合は例外です。ある宗教では、靴を脱ぐことが礼式とされる風習があります。またある民族では、脱衣することが相手を尊敬し従属の意を示す象徴として行われる場合があります。したがって半裸ありは全裸が下級の地位を表していることがあります。一方進化した社会でも、身分の高さと着装被服の数量とが比例している例などもあります。主様は多くの被服を着装し、家来は乏しく着装していたことなどが、相手への尊敬従属を表すために脱衣することにつながったと考えられます。

日本繊維製品・クリーニング協議会 会長 角田光雄