被服の基本的な機能(働き)その1 被服を着装した後の効果と機能について

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photo credit: Roger Smith via photopin cc

これから何回かに分けて服装の機能を考えてみます。まず基本的な機能と社会的あるいは社会心理的な機能についてです。

基本的な機能が発現した後の効果は、実用的な、審美的な、あるいは象徴的な面で現れます。

実用的効果として、防護的な、また適応的な機能は着る人が主観的に感受します。一方服装が持っている標識的および扮飾的機能は社会生活の中での客観的な効果となります。

審美的な効果としては、被服が人間に着装されたときに現れる審美能や容儀能および扮飾能などが外観的な効果として考えられます。これらは服装の装飾性が顕著に表れるので大きな関心がもたれます。

象徴的な効果は、被服の着装によって着用している人の内容を対外的に象徴する効果で、服装の標識能、容儀能や扮飾能などが関係します。

基本的機能は、防護能、適応能、標識能、扮飾能、審美能や容儀能などです。3つの効果に共通する機能としては耐久能があります。

まず着装された被服によって、気候や外界から人体を保護して快適安全な状態に保たせる働きが防護能です。

環境気候の変化に対して、人体の行う生理衛生上の働きを補足して人体を快適な状態に保つための被服の能力が保護能です。このような能力を持っている被服を着用する目的は主として防寒と防暑です。これらは耐候性に関する防護能です。これに対して外界の物に接触することによる肉体の傷害を防ぐ、つまり護身性についての機能も被服は持っています。護身性というのは、防傷性、防毒性、防火性、防汚性、防虫性などです。具体的な被服としては、くつ類、手袋、帽子や外被類などの一般的保護服と闘争用保護被服、作業用保護被服、フットボール用ヘルメットのようなスポーツ用保護被服などです。

なお、耐候性などに関する保護機能やその他の機能の内容については、次回以降のコラムです。

日本繊維製品・クリーニング協議会 会長 角田光雄

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