日本繊維製品・クリーニング協議会(角田光雄会長/以下、日繊ク協)は平成29年度通常総会を6月19日(月)に全国クリーニング会館で開催しました。

開会の挨拶で角田会長は平成29年11月で日繊ク協が設立15年を迎えることに触れ、これまでの支援に感謝の気持ちを述べました。
また、平成28年12月1日に施行された新JIS(JIS L 0001)について、今年度は施行後に把握した課題の解決を通じてクリーニングの事故防止に取り組むことから、引き続き支援と協力をお願いしました。

総会の前に行われた特別記念講演では一般社団法人日本衣料管理協会・大橋正男氏が講師となり、「『衣料の使用実態調査』でみえること」をテーマに講演を行いました。
日本衣料管理協会はTA(衣料管理士)とTES(繊維製品品質管理士)の資格認定を行っている機関です。衣料の使用実態調査はTA養成大学の学生とその父母を対象に毎年行っており、消費者の手に渡った衣料の所持・使用・廃棄に関するデータを通じて衣生活の実態を知る貴重な資料となっています。

今回の講演では、2014年の調査を基に、学生、父、母のそれぞれの衣料品の購入枚数や価格帯、購入する衣類の季節性などを解説しました。
調査結果からの分析として、全体的に購入枚数や支出は減少傾向が続いており、購入する衣類の価格帯も低価格にピークが移動しています。
現在の衣料品市場は人口減少や所持衣料品の充足、カジュアル化によって縮小し、デザインの同質化で消費者離れが起きている一方、買いたい服のない消費者をネットや中古市場が取り込んでいる状況です。
加えて最近は海外・IT企業が参入し、衣料品を買うから借りる生活への転換やファッションショーで見た衣料をネットを活用してその場で買える「See Now, Buy Now」と呼ばれる販売形式によるニーズへの即応化などが起きており、今後この流れが加速すると説明されました。

なお、別途行われた「洗濯・クリーニングに関する調査」では家庭洗濯できる衣類の増加や節約志向によってクリーニングの利用頻度、洗濯代が減少傾向にあることが浮き彫りになりました。
また、勤労者は営業時間中にクリーニングに出すことが難しく、自分の望む時間に出せることへの要望が高まっています。
ただし利便性を追求するにしても、根底には技術に裏打ちされた優しく丁寧なサービスを行うことが重要であるとしました。

総会では慎重審議の上、上程された全ての議案が承認・可決されました。
平成29年度は新JIS施行後の消費者への浸透状況やアパレル、クリーニング、検査機関それぞれの立場で把握する課題の解決に取り組んでいきます。
具体的には、「取扱い表示記号(JIS L 0001)施行1年を経過して(仮題)」をテーマに、アパレル業界、クリーニング業界、検査機関、消費者代表が参加する第11回日繊ク協交流会議を12月12日(火)に東京体育館・会議室(渋谷区千駄ヶ谷)で開催します。
加えて、クリーニング工場等を見学する業界交流見学会、および商業クリーニングや衣料品に関するセミナーの開催を予定しています。
この他にもクリーニング事故事例をホームページに掲載する「ホームページコンテンツの充実」、広報活動や消費者行政等との関係機関との交流を図るPR事業を展開します。