デニムの黄変【2015年5月】

最近、書店ではデニム素材の特集が掲載されているファッション誌をよく見かけます。
デニム素材とは一般的にたて糸にインジゴ染料による先染め綿糸、よこ糸には晒しの綿糸を用いて、3/1の斜文組織にした綾織物です。
デニムの代表的な製品であるジーンズは、着用などによってたて糸の染まっていない芯部分の白い繊維が露出し、ヒゲといわれるアタリが発生するなど個人のライフスタイルに合わせて製品の変化も楽しめるアイテムです。

デニムは摩擦による色落ちが問題視されることもありますが、今回のコラムはデニムが黄変することにフォーカスをあてたいと思います。

デニムの黄変は、使用されているインジゴ染料が光や車の排気ガスに含まれる窒素酸化物によって分解され、イサチンとよばれる黄色の物質を生成することによるものです。

この黄変現象の特徴は以下の通りです。

  • 店頭陳列中や保管中に確認されることが多いです。
  • 外気に触れる部分に発生しやすい傾向がありますので、たたみの時の縁が黄変する傾向があります。
  • イサチンは水溶性(水に溶ける)ですので、洗濯などの水洗いで除去できます。
  • イサチンの発生はインジゴ染料の分解によるものですから、水洗い後に本来のデニムの色味より薄くなります。

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