プロによる水洗いとは【2016年7月】

洗浄の5要素

洗濯の洗浄力を発揮させるには、次の5つ要素を考えて行われます。この5つの要素を変えることにより衣類に対して適切な洗浄が行われています。

  • 溶剤(水)
  • 機械力(水洗機)
  • 時間(洗浄・すすぎ)
  • 化学力(洗剤・助剤)
  • 温度(汚れが溶解しやすい温度)

溶剤(水)

水洗に適しているのは軟水です。日本ではどこの水道水でも大きな問題はありません。

機械力

クリーニング業界の主流はドラム式洗濯機です。ドラム式洗濯機は洗濯物を高く持ち上げ水面に落す「たたき」作用で汚れを落とします。また回転速度を調整することで強弱を調整することができます。

時間

洗浄には、水が衣類や汚れに十分浸透し、汚れを溶かし取り除く時間が必要です。また業務では家庭に比べ大量の衣類を一度に洗浄するため、量も考慮して時間を調整しています。

化学力(洗剤・助剤)

衣類の素材へのダメージ、汚れを考慮し選定されています。アルカリ性・中性なども考慮し使用します。

温度

汚れは、付いた時の温度、溶解の温度以上で落とすことが容易になります。例えば魚の油は、食べたとき舌に溶けますが、牛肉の油は舌の温度では溶けません。ステーキの鉄板で焼く温度で初めて溶けます。このように汚れとしてついた時点の動きやすい温度にすれば汚れが取りやすくなるということです。

「ランドリー」と「ウエット」そして「JIS L 0001のウエット」

以上5つの要素を踏まえ、「ランドリー」はすべてを最大限使用し、丈夫な衣類をクリーニングする方法。「ウエット」は洗たく物の機械力・化学力のダメージを極力抑えた状態で行う洗浄方法」と言えます。2016年12月から実施される新JISのウエットは、ドライ溶剤の代替の洗浄方法の一つとして「特殊な技術を用いた業者による繊維製品の水洗い・仕上げ処理」と定義された洗濯方法です。2016年現在、当業界ではそれに対応した新たな水による洗浄方法と仕上げ方法を各社で研究・模索しているのが現状です。

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