顔料【2016年10月】

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衣料品には赤や青などの鮮やかな色から黒やグレーなど無彩色までさまざまな色があります。一般的に生地に色を付ける方法としては染料と顔料を使用する2種類がありますが、今回は顔料についてご紹介します。

染料と顔料の違いですが、染料は水に溶け繊維の中まで染めることができますが、顔料は水に溶けず繊維の中まで浸透しません。繊維表面に顔料の粒子を接着剤で付着させています。この接着剤のことをバインダーといいます。

顔料は原則素材を選ばず使用できますので、主にTシャツの胸のロゴプリントなどに使われることが多いですが、生地染めに使用することもあります。顔料は繊維表面に付着している状態のため擦られると脱落しやすいのですが、その性質を利用し染色後ウォッシュ加工で顔料を落とし、色あせたようなカジュアルな雰囲気を出すこともできるのです。

一方、顔料が脱落しやすい性質により、着用中に他の衣料や下着、バッグなどと擦られ剥がれたり色が移ったり、着用や洗濯・クリーニングによる摩擦で白っぽくなることがあります。またバインダー(接着剤)はドライクリーニングで溶解しやすく、接着力が弱くなると顔料が落ち、全体的な色落ちや混ぜ合わせた顔料の一部の色だけが抜け落ちて元の色とは違う色になることもあります。

クリーニング時には接着剤の樹脂を溶解する溶剤使用のドライクリーニングは避ける、水洗いの場合はたっぷりの水量で他の製品との摩擦を避ける、裏返して洗うなどの注意が望まれます。
アパレル側はプリント製品の取扱い方法や顔料使用製品の注意点を縫いこみラベルや下げ札に記し、販売時に消費者への説明も行うことによりトラブル未然防止につながります。

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