衣料品に使用される皮革は、天然皮革と人造皮革があります。
天然皮革は風合いも柔らかく、手入れ次第では長期間使用することも可能ですが、高価であることから安価に作ることの出来る人造皮革が誕生しています。

この人造皮革には「人工皮革」と「合成皮革」があり、その構造により区別されています。
家庭用品品質表示法 雑貨工業品表示規定によれば、人工皮革は「基材に特殊不織布(ランダム三次元立体構造を有する繊維層を主とした基材にポリウレタン又はそれに類する可撓性を有する高分子物質を含浸させたもの)を用いたもの」と定義されています。
要するに、天然皮革が持つコラーゲン層の代わりに、三次元極細不織布に樹脂を絡ませた基材で再現しようとしたもので天然皮革により近い素材となっています。
基材を起毛すればスエードタイプとなり、表面にポリウレタン等の樹脂を塗布すれば銀面付きタイプとなります。

一方、合成皮革は「基材に織布、編物又は不織布を用いて、表層にポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の合成樹脂を含浸や塗布などの加工を施し、表面を天然皮革用に加工処理し、天然皮革に外観、風合いなどを似せたもの」と定義されています。
その構造から人工皮革より安価に製造でき、また基材に織編物を使用することから厚みや硬さの変更が可能なため種々のバリエーションができます。

一部の品目で人工皮革と合成皮革の組成表示を明確に区別していましたが、平成29年4月1日に施行された家庭用品品質表示法では、人工皮革と判別できない場合は合成皮革として表示可となりました。
従って、実際は人工皮革なのに合成皮革と表示する素材も市場に出回ります。

人工皮革や合成皮革の樹脂は、そのほとんどがポリウレタンを使用しており、光・熱・水分に弱く使用状況によっては樹脂のはく離等の劣化を生じることがあります。
また、樹脂に塩化ビニルを使用している場合は、ドライクリーニングで硬化することもあります。
これらのトラブルを防ぐために、取扱い表示記号に示された取扱いを行うこと、湿度の高い所や日の当たる場所で保管しない、ストーブなどの熱源から遠ざける等に注意する必要があります。