産地紹介  ― 先染綿の播州織 ―【2017年9月】

兵庫県北播磨地域には、古くからテキスタイル企業が軒を連ねており、多くの人が播州織に関わってきました。
先染めが特徴の播州織は先に糸を染め、染め上がった糸で柄を織ります。
ワンピース、シャツ、ハンカチ、テーブルクロスをはじめ、マリエ(※)やフォーマルドレスなど幅広い分野で使われています。

テキスタイルデザイン、糸染、織布、加工、4つの行程全ての職人が在籍し、産地の中で一貫生産できる事が特徴です。
そして、あらゆる基準の中で作られた生地が播州織となります。
自然な風合い、豊かな色彩、肌触りの良さが特徴で、その品質の高さはルイヴィトン、バーバリー、ダックスなどの海外トップブランドからも支持、採用されています。

西脇市では「ファッション都市構想」を掲げています。
移住などでやってくる育成デザイナーを受け入れ、ファッションクリエイターへと育成。
そして今後は織物産地としてだけでなく最終製品も増やし、街のブランド化を図ることを構想しています。

※マリエ:婦人服のコレクションの最後を飾るウエディングドレスのこと。既存のウエディングドレスとは異なる、デザイナーの自由な発想に基づいたウエディングドレス。

若手の活躍

近年、播州地域のテキスタイル企業には全国から若い人材が続々と入っています。
中には東京でデザイナーを目指し専門学校に通っていた人もいます。
その動きの一つに西脇市の片山市長自らが、播州織にデザイナーを呼ぼうと専門学校などに赴く活動があります。
さらに移住が決まった育成デザイナーには補助金が支払われるという仕組みです。
産地の中で経験を積みながら、起業、あるいは事業所での活躍を目指すデザイナーの輩出を目標としています。

コワーキングスペース「CONCENT」は、ミシンや機材、撮影スペースを兼ね備えた空間で、育成デザイナーはもちろん、誰でも自由に利用でき自身の技術やアイデア力を磨きます。
各テキスタイル企業の若手が横の繋がりを生む場にもなっています。
播州地域は市が一丸となって産地を盛り上げている代表的な例と言えます。

コワーキングスペース「CONCENT」

地域ブランド取得

「播州織」は、平成20年に特許庁から地域団体商標(いわゆる地域ブランド)に認定されています。
地域ブランドの取得により、「播州織」ブランド意識の向上、高い品質基準の維持・向上、周知活動などに力を入れています。

播州織総合素材展

今まで地元で行っていた素材展を東京で開催することにより、今までは遠方により見てもらう事の出来なかったアパレル企業やクリエイターなど、多くの来場者が足を運ぶようになりました。

さらに、(一社)日本アパレル・ファッション産業協会の「JAFIC PLATFORM」登録クリエイターと産地企業がマッチングし製品を試作。
産地企業にとっては新しいアイデアを得られ、クリエイターにとってはテキスタイル企業との出会いによりクリエイションの幅が広がる、大変意義のある取り組みです。
高い技術とクリエイションの力で魅力ある製品を作り上げました。

参考URL

西脇ファッション都市構想 HP
https://nishiwaki-fashion.com/

西脇市HP
http://www.city.nishiwaki.lg.jp/kankotokusan/jibasangyo/index.html

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