フェイクファーについて【2014年4月】

photo credit: NCReedplayer via photopin cc

4月になり、記録的な大雪に見舞われた2013-14年の冬に活躍してくれたコートもそろそろクリーニングに出すタイミングなのではないでしょうか?

コートには様々な種類があり、トレンチコート、モッズコート、ステンカラーコート、ダウンコートなどがあります。それらの中には防寒性や、デザイン性を高めるためにファーが付いている製品もあります。

今回のコラムはそのファーの中でも「フェイクファー」をピックアップしたいと思います。

ファーには2種類あります。

まず一つ目は、毛皮(リアルファー、以下リアルファーと記載します。)です。動物の毛皮を素材としている天然素材であり、フォックス、ラビット、ラクーンなどがあります。本物の動物の毛皮を加工し製品に用いているため、風合いは豊かですが比較的高価です。

二つ目はフェイクファーです。一つ目のリアルファーと比較して安価であり、虫食いなどの心配もいりません。
フェイクファーはパイル織物や丸編機によるシール註1やパイル編があります。ループパイルを切り開いて起毛し、毛皮の毛並みのように加工します。また、リアルファーと同様に、切り開いたパイル糸を長短に分けて、刺し毛と綿毛の感触を模し、染め色やプリントの配色などを変え、様々な動物の毛皮に似せています。

フェイクファーに使用される素材として、刺し毛にはアクリル系、綿毛にアクリル、基布にポリエステル(刺し毛、綿毛にもポリエステルが使用される場合もあります)が使用されるケースが多いです。このアクリルやアクリル系の繊維は柔軟性があることからフェイクファーに利用されているといわれています。

註1:毛足の長いパイル編で、専用丸編機で作られた生地を剪毛(せんもう)し、毛足を揃えて仕上げる。

最後に参考として取り扱いに対する注意事項(一例)をご紹介いたします。

  • フェイクファーは石油系溶剤で短時間処理後、静置乾燥機を使用してください。
  • フェイクファー部分のアイロンやスチームはお避け下さい。

参考文献

※:繊維総合辞典 繊研新聞社

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