フロック加工に注意【2012年11月】


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フロック素材とは接着剤をぬった生地の表面に一定の長さに短くカットした繊維を(レーヨンやナイロンなどの繊維が多くこれをフロックといいます)静電気で垂直の状態に接着加工を行ない、ベルベットのような手触りや柄・模様を出したものです。

毛羽は繊維の先端で接着していることにより、着用時にショルダーバックのベルトなどで押し付けると毛並みが乱れたり、脱落が生じたりすることがあります。また、長時間椅子に座わる、あるいは正座すると毛羽が倒れることもあり、ひどい場合には修復できないこともあるので注意が必要です。

クリーニング処理後には摩擦を受けやすい凸となっている部分の毛羽が脱落し基布が露出してしまうことがありますが、これは着用時摩擦を受け劣化していたところにさらにクリーニング処理による摩擦作用や樹脂溶解力の大きい溶剤により接着樹脂が剥離し生じたことが考えられます。

トラブルを未然に防ぐためには、クリーニング受付時に摩擦やスレを受けやすい部分を確認するとともにフロック素材の特性をお客様に伝えることが必要かと思われます。

クリーニング処理時には石油系溶剤を使用し、他の衣料との摩擦を出来るだけ避けるため、単品または少点数で高浴比で洗浄し、可能ならば静止乾燥機での乾燥がよいでしょう。クリーニング時のネット使用はある程度有効ですが、製品サイズに対し小さなネットを使用すると逆に特定箇所に摩擦や衝撃などがかかる結果となる場合がありますので要注意です。

何れにせよ、クリーニング受付時での十分な確認とお客様への丁寧な説明が大切となります。

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