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スラックスの裾やシャツの袖口で、摩擦による損傷が起こることがあります。特に注意しなければいけないのは、モヘヤ混のスラックスや、綿・綿混紡・シルク素材の上衣類(シャツ、コート、ブルゾン等)の折り目部です。

モヘヤは毛足が長く光沢がある繊維で、外層が硬く内層が柔らかい性質のため摩擦や折り曲げに弱いと言われています。モヘヤ混のスラックスにシロセット加工のような折り目加工を施すと、永久的に折り目が保たれるため着用中の摩擦を受け易くなります。そのため、折り目部分がすれたり折り曲げられたりして繊維が切れ易くなります。

綿、シルク素材は引張などの強度は比較的強いのですが、着用時に同じ箇所が摩耗されることで摩耗強度の弱いものは早く擦り切れてしまいます。
これらを防ぐためには、
1.モヘヤ混の素材に折り目加工をさけましょう。
2.綿、シルク素材は事前に折目摩耗強度、引張強度、引裂強度等のデータを取っておき、摩擦に対して弱くない素材であることを確認しましょう。
3.柄糸は特に目立ちますので、撚りが強く摩耗強度に強いものを使用しましょう。

摩擦により裾等が擦り切れるのではなく、フェルト化してしまう場合もあります。これは毛混、薄起毛のスラックスの股下で起こる現象です。

特に毛素材を使用した腰回りにゆとりのないスラックスで、股下が緊張した状態で擦り合わさり、繊維が毛羽立ってフェルト化してしまい、場合によっては破れてしまうこともあります。

なおフェルト化とは、毛素材が湿潤状態で揉まれると縮絨し、毛羽どうしが絡み合い固まってしまうことを言います。
これらを防ぐためには、
1.企画の段階で腰回りにゆとりをいれましょう。
2.摩耗強度(マーチンデール法)、引張強度、引裂強度等のデータを取っておき、摩擦に対して弱くない素材であることを確認しましょう。

また、クリーニング店頭では摩擦による損傷の起こりやすい素材・アイテム・加工を理解したうえで、事前チェックを怠らないようにしましょう。