事故内容

事故品全体の写真

 正常部  事故部

品名

ジャケット

状態

身頃や袖の広範囲に黒っぽい部分がある。正常部はラメ感のあるグレー。

素材

キュプラ100%(スリット糸使用)

取扱い表示

処理方法

石油系ドライクリーニング、タンブル乾燥、スチーム仕上げ

製品特徴と原因

  • 本品はラメ糸(スリット糸)を使用した品物。
  • ラメ糸は、フィルム素材にアルミニウムなどの金属を薄く付着(蒸着)させたもの。湿気、酸やアルカリ成分などによって変色しやすい(金属層が変色したり脱落しやすい)。
  • 黒っぽい部分は、ラメ糸特有の光沢感が減少している。正常部との境界はぼやけている。
  • 黒っぽい部分は、広範囲各所にあるが、ハンガーにかけた際の凹凸の凸部に沿っていると思われる部分もある。また肩パットや縫い代が重なる部分は、黒っぽさが少ない。
  • 拡大して観察すると、正常部のラメ糸は金属的な光沢があるが、変色部のラメ糸は金属層の一部が脱落して黒っぽく見える。

変色は、ラメ糸の金属層脱落による現象。保管時の湿気が影響し、一部分の金属層が剥がれやすくなり、クリーニングをしたことで脱落したものと思われる。パットや縫い代が重なっている部分の状態が比較的良いのは、周辺部よりも生地が折れ曲がりにくいこと、また溶剤通過量が少ないことなどのが影響したものと考えられる。

防止方法

アパレル

以下などを消費者へ伝える(縫い付けラベルに記載する)

  • ラメ糸使用製品は、汚れが付着したり高湿度環境に保管することなどによって変色しやすい。
  • 保管時にポリカバーを使わないこと。
  • 汚れ(飲食物や汗成分など)は、落としてから保管すること。

消費者

  • 着用時は、汗成分が付きにくいように、インナー等を工夫する
  • 着用後は、早めに汚れを落とす
  • 保管時は、通気性の良い布などでカバーし、時々風にあてて湿気を飛ばす

クリーニング

  • 受け渡し時に変色の有無を確認し、変色している場合は利用者にも確認してもらう。

日繊ク協の考え方

ラメ糸の変色原因は、本事例のような湿気のほか、飲食物・汗成分・薬品類付着などのこともある。湿気は良くないが、水との接触が即座に金属層の脱落原因になるわけでは無い。また汗成分が残留していると変色しやすいため、変色防止の意味では、肌に触れやすいアイテムは水洗い(手洗いなど)ができる企画が望ましい。
なお、ラメ糸の変色はある程度やむを得ない現象でもあり、クリーニング事故賠償基準の商品別平均使用年数程度の年数が製品寿命だとも考えられる。