事故内容

事故品の正面 事故品の左脇

品名

スカート

状態

全体的にプリーツが甘くなっており、特に左脇部分が目立っている。

素材

ポリエステル100%

取扱い表示

処理方法

石油系溶剤によるドライクリーニング、タンブル乾燥

製品特徴と原因

ポリエステル100%のロングスカートで表示通りのクリーニング処理を行ったところ、全体的にプリーツが甘くなっている。
ポリエステルの素材は形態安定性が優れているため、製品は型崩れしにくい特徴がある。
また、熱セット性が良いのでプリーツ保持性もあり、ポリエステルの素材特性である「熱可塑性」という「加熱すると軟化して成形し、冷やすと再び固くなる性質」を利用してプリーツ加工を行なっている。
そのような特徴のある素材でプリーツが消失してしまう要因としては、以下の3点が挙げられる。

  • 製品製造時の熱セット不足
  • 着用後の保管方法
  • 乾燥方法や仕上げの熱

防止方法

アパレル

  • 事前にプリーツ加工後の生地についてプリーツ保持性の試験を実施し、生地性能を確認する。また、製品では取扱い内容に準じた処理を行い、その試料を用いての性能確認を実施すること
  • その他にはプリーツは永久加工では無い旨のアテンションを付与する

消費者

  • プリーツ加工は永久加工ではない事を理解して、着用後はハンガーで吊るして保管する、連続の着用は避けるなど製品に負担のかからないように丁寧に着用する。

クリーニング

  • 商品受付時にプリーツの状態を確認する。また、プリーツ加工が永久ではなく、完全な復元は難しいかもしれないということを消費者に理解をいただいたうえで、取扱い内容に準じた処理方法で丁寧に取り扱う。

日繊ク協の考え方

ポリエステルの素材特性として、熱セット加工後のプリーツは消失しにくいと思われるが、アパレル、消費者、クリーニングの3者がそれぞれ性能の確認・丁寧な取扱い・適切な処理をする。