事故内容

品名

Tシャツ

状態

ラインストーンが所々剥がれている状態。

素材

ポリエステル60%、綿40%

取扱い表示

処理方法

中性洗剤によるウエットクリーニング、自然乾燥、スチーム(パフ)仕上げ

製品特徴と原因

ラインストーンが剥がれた部分は、接着樹脂が残り、部分的に変退色しているような外観になった。

事故になる前の品物の外観からはラインストーンが剥がれるかは判別できない。

接着樹脂は、経時変化により劣化するものがある。(空気中の湿気などの水分の存在によって加水分解を生じるため。)

経時変化による劣化は、一般には製造後2~3年以降の製品に生じやすい。

経時変化により劣化したため、剥離・破損した。

ラインストーンは、凹凸があるため、外的な負荷がかかりやすく、さらに着脱時の伸縮により、接着部分に力が加わり剥離しやすい。

防止方法

アパレル

  • 製造年度を調べられる記号を下げ札や縫い付けラベルに表示する。
  • 「商品特性」「経時変化による劣化現象」「着用、洗濯の際にラインストーンになるべく負荷がかからないように」等の取扱注意表示を下げ札や縫い付けラベルに表示する。
  • 「商品特性」「経時変化による劣化現象」「着用、洗濯方法」等について、販売員への情報提供と教育を行い、販売時に消費者へ情報提供する。
  • 企画段階で使用素材、部位などを考慮する。

消費者

  • 樹脂接着の劣化特性を理解して、購入し、着用、洗濯する。
  • クリーニングから戻ってきたら一度乾燥させ、湿気の少ない所で保管する。
  • 雨や汗などで湿った状態で長時間放置しない。

クリーニング

  • 接着樹脂が経時劣化することを日常的に消費者に情報提供する。
  • 受付時に樹脂接着であることを消費者に伝え、樹脂の劣化特性を説明し、剥がれる可能性について了承を得てからクリーニングする。

日繊ク協の考え方

アパレル業者やクリーニング業者は、接着樹脂が劣化する特性、着用方法や洗濯時の注意点を消費者に伝え、消費者は接着樹脂の寿命が短いことや着用方法や洗濯方法等、取扱い方に注意することを理解する必要がある。