事故内容

    

事故品全体の写真            事故部分の写真

  

正常部の拡大写真             事故部の拡大写真

品名

パンツ

状態

パンツの尻から膝裏辺りにかけて左右両方に筋状の横線が入っている。

素材

毛50%、ポリエステル50%

取扱い表示

 

処理方法

石油系ドライクリーニング、タンブル乾燥、ウールプレス仕上

製品特徴と原因

パンツの身生地には杢グレー色の毛繊維と黒色のポリエステル繊維、あるいはその混紡繊維が使用されているようである。現象が生じている部分と正常部を拡大して比較観察すると、事故部は毛繊維が消失し、黒いポリエステル繊維のみが残っている状態にあり、目視において筋状に色が変わったように見えている。

毛は天然繊維のため、合成繊維のポリエステルに比べ、外的作用を受けた時の繊維強度が弱い傾向にある。筋状に現象が発生していることから、局部的に摩擦(摩耗)などの物理的作用の影響を継続的に受けて毛繊維が脱落するような着用環境があったのではないかと推測される。

防止方法

アパレル

  • 事前に摩耗強度試験などを含めた一般的な生地の強度試験を確認する。

消費者

  • 毛などの天然繊維は外的作用を受けた時の繊維強度が弱い傾向にある素材なため、着用時に強く擦られるような着用状態や、局部的に長時間同じ部分が何かに当たるような着用状態は避ける。

クリーニング

  • 受付時に外観変化の有無を確認する。

日繊ク協の考え方

毛などの天然繊維は外的作用を受けた時の繊維強度が弱い傾向にあるため、着用時に強く擦られるような着用状態や、局部的に長時間同じ部分が何かに当たるような着用状態を避ける配慮が必要と考えられる。