事故内容

品名

ショール

状態

全体が黄変したとの申し出。ただし、変色の有無は不明。

素材

毛100%

取扱い表示

 

処理方法

石油系ドライクリーニング、タンブル乾燥

製品特徴と原因

  • オフホワイトの単色製品。
  • 色ムラや、汚れが付いている様子は認識できない。
  • 黄変しているようにも、元々現状の色であったようにも見受けられる。
  • 一部分にしみ抜き処理を試みたが、状態変化はなかった。

ウール素材の黄変原因の主なところは、アルカリ、熱、光によるものである。ウールの製造工程中に受ける熱やアルカリ処理により、タンパク質繊維中のアミノ酸が化学変化を引き起こし黄変する。また、光(特に紫外線)を照射されることでウールが持つアミノ酸が化学的変化を引き起こし、黄変が発生する。特に光による黄変は、経時的に起こる現象になる。

防止方法

アパレル

  • 毛織物の製造において、pHを高くしない、処理温度を上げない、処理時間を長くしすぎないなど工程管理を行う。
  • 事前に耐光堅ろう度などの試験で評価する。
  • 「長時間の光に曝されると変色する恐れがあります」等の注意表示を付記する。

消費者

  • 直射日光に当たらない、湿気の少ない場所で保管すること。
  • 白系のウール素材は、経時的に黄変することもあることを理解する。

クリーニング

  • 受付時に黄変箇所が発生しているか確認する。
  • 店舗では直射日光に当たらない、湿気の少ない場所で保管すること。

日繊ク協の考え方

ウール素材は素材そのものが黄変するため、出来る限り光に曝さないよう取り扱っていても、長期間着用・保管をしていると経時的な変色は避けられない。