シームレスダウン
冬の定番アイテムに、ここ数年新しいアイテムが定着しつつあります。それがシームレスダウンです。
今までのダウンと何が違うかというと、読んで字のごとくシームレスつまり縫い目がないダウン製品です。
なぜ人気かというと、縫い目が無いので暖かく、ダウンが抜けにくい、デザインがよいといった理由があげられます。
縫い目があると縫製部分から外気が入る、ダウンが飛び出るといったようなマイナスの部分がありました。
それを解決するため、縫い糸を使わず接着するという方法をとりました。
つまり、縫製の代わりに接着する技術、方法がとられるようになったのです。
またアウトドア製品では、縫製部分からの浸水を防ぐため縫製の代わりに接着する製品も見られます。
接着部分は各社様々な技術・方法があり公表されていませんが、調べてみると主な接着方法はテープや樹脂、超音波接着などの接着方法がとられています。
残念ながら接着部分の接着方法は各社様々で外観からは見分けることはできません。
そしてこれらの接着方法の特性上剥がれるというデメリットが発生します。
剥がれる原因は様々で特定するのは難しいですが、主な剥がれる原因は下記のとおりです。
剥がれる主な原因
- 物理的作用
着用時に負荷が加わる。洗濯時に負荷が加わる。乾燥時に負荷が加わる。
周りの環境や状況、高湿度、加熱、低温(-10℃など)、長時間の浸水など - 化学的作用
日常の中にも薬品はたくさんあります。アルコール類、ネイルを剥がす除光液(アセトン)。
そしてクリーニング業者においてはパークロロエチレン、石油系溶剤にも注意が必要です。 - 経時的作用
時間の経過と共に接着剤は弱くなります。 - 接着不良
接着部分の接着時に圧力不足や接着時間不十分、温度不十分、異物混入などにより企画時の設定より強度が満たない場合があります。
上記の状態を外観から確認は不可能なため、クリーニング店でのお預かりは難しいことが分かります。
取扱い表示では、洗濯方法が記載されていますが、表示通り洗っても上記による変化が起こることがありますので注意しましょう。
メーカーによっては製品を有償もしくは無償で補修や交換など数年間保証してくれるメーカーもあるようです。
購入時に確認して購入することをお勧めします。
お洗濯は当然接着部分に負荷がかからないように扱うのが基本です。
しかしながら上記の状態が確認できないので、クリーニング店では特殊製品となるので受付ができない場合があります。
商品を末永く使用したい場合は、お洗濯というよりは生地表面を拭き取るようなお手入れが良いようです。
中綿のダウンが寄ってしまったら優しく押したり振るなどして接着部分に負荷をかけないように分散させてください。
接着部分が剥がれないようにする知識と扱い、着こなしをすることをお勧めします。