当協議会は、第8回日繊ク協交流会議を11月28日(金)に東京ビッグサイト会議棟701会議室で開催しました。クリーニング業界の展示会「クリーンライフビジョン21-2014東京国際クリーニング総合展示会」にあわせて開催しました。今回の交流会議には86名が参加し、「消費者に向けて」をテーマとして2つの講演が行われました。

開会式で、角田会長は「10月20日に、JISがISOに準拠した取扱い絵表示と試験方法に改正されました。我々日本人は非常に優れた感性を発揮してファッション産業に関わっております。日繊ク協の主目的であるクリーニング事故防止は、ファッション産業と消費者をより強く繋げるために大変重要な要素であると考えております。このことからも、本日は講演を通じて家庭用品品質表示法やクリーニング事故賠償基準についてもう一度見直していただく機会にしてほしい」と挨拶を述べました。
続く来賓挨拶では、厚生労働省健康局生活衛生課・鶏内さつき課長補佐および経済産業省製造産業局繊維課・水野紀子課長補佐より、日繊ク協の活動に対する期待の言葉をいただきました。

今会議の講演は2部構成となっており、家庭用品品質表示法とクリーニング事故賠償基準というそれぞれの観点から、消費者保護や消費者利益の擁護等に係る話が披露されました。

基調講演1 「家庭用品品質表示法について」

基調講演1では「家庭用品品質表示法について」として、消費者庁表示対策課・藤田正樹課長補佐が講演を行いました。
家庭用品品質表示法(以下、家表法)は昭和37年に制定された法律ですが、その前身として昭和30年に制定された繊維製品品質表示法が存在しました。しかし、繊維製品以外の製品の偽装事件などが社会的に問題となったことから、あらゆる商品について品質表示の適正化を確保するべきという社会的要請が高まり、一般消費者が通常生活に用いる「繊維製品」、「合成樹脂加工品」、「電気機械器具」、「雑貨工業品」を対象とする家庭用品品質表示法となった経緯があります。
藤田課長補佐は、家表法に規定された繊維製品の品質表示について概要を説明し、繊維の組成に関する指定用語や混用率の表示方法、取扱い絵表示の組合せの順序や付記の仕方、表示者名・連絡先として必要となる記載内容等を、具体例を挙げて紹介しました。
また不適正表示に対しては、消費者庁、経済産業省、経済産業局(地方局)、都道府県および市がそれぞれの権限の中で、調査・立ち入り検査や指示・公表・命令といった措置を取ること、違反業者は改善および再発防止措置を行うとともに、行政に報告しなければならないことを説明しました。
最後に改正された新JISについても紹介を行いました。国際規格に記号をあわせただけではなく、タンブル乾燥や商業ウェットクリーニング、酸素系漂白剤の追加などの細やかな要素を加えたことで消費者の衣類に関するトラブル防止および商品選択における利便性の向上が期待できることを説明しました。今後は関係省庁や繊維業界・クリーニング業界・検査団体・消費者団体等とも連携を取りながら、新しい記号による規程の改正について周知啓発を進めて消費者利益の保護を図っていきたいとしました。

基調講演2 「クリーニング事故賠償基準の考え方」

基調講演2は「クリーニング事故賠償基準の考え方」として、一般財団法人日本消費者協会・長見萬里野理事長がクリーニング事故賠償基準策定の経緯や運用方法、今後の課題を解説しました。
長見理事長は、クリーニング事故賠償基準(以下、事故賠償基準)の前身となるクリーニング賠償基準(以下、賠償基準)の作成から関わっており、賠償基準および事故賠償基準の変遷を当時の状況を交えながら説明しました。
昭和40年頃から化学繊維の登場や既製服の普及、付属品の多様化等によって、クリーニングトラブルの相談が消費者団体に多く寄せられるようになってきました。このことから、クリーニング・アパレル・流通等の関連業界だけでなく消費者団体や法律に関わる専門家を交えて中立な視点から昭和43年に賠償基準が制定されました。その後、繊維技術の進化やファッションの多様化などにより賠償基準が実際とそぐわなくなってきたことから、昭和54年に新基準として事故賠償基準が制定され、現在に至るまで3回の改訂を行いながら運用を続けてきております。
事故賠償基準の特徴として、長見理事長は第3条「過失の推定」を挙げました。過失の推定とは、洗たく物について事故が発生した場合には原因の所在に関わらずクリーニング業者が被害者に対して補償するというものです(なお、クリーニング事業者が他者の過失を証明した場合は賠償額の支払いを免れる)。これは、過失の証明が困難である消費者をたらいまわしにせず救済するための措置です。
この過失の推定は後の製造物責任法(PL法)が制定される際も参考にされていることから、事故賠償基準が業界の自主基準でありながら一種の社会的規範として認められている証であると説明しました。
また、事故賠償基準は賠償額の算定をはじめとする賠償を行う上での根拠となっており、消費者、クリーニング事業者、そして消費生活専門相談員にとってもトラブルを解決に導くための重要な指針となっていることを説明しました。
今後も、新たな繊維や衣料品の開発、輸入衣料の増加などにより責任の所在が不明確になっていくことが予想されるため、事故賠償基準に基づきながら状況に応じた柔軟な判断でクリーニング事故を解決し、クリーニング業者が一方的に不利益を被ることのないようにしながらも消費者利益の擁護を図ることが大切であるとしました。

第8回日繊ク協交流会議 開催概要

日 時

平成26年11月28日(金)13:30~16:00(受付は13:00から)

会 場

東京ビッグサイト 会議棟701会議室
〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1

主 催

日本繊維製品・クリーニング協議会

後 援

厚生労働省
経済産業省
消費者庁

プログラム

開会式(13:30~13:45)

基調講演1(13:45~14:45)
テーマ 「家庭用品品質表示法について」
講 師 消費者庁 表示対策課 課長補佐 藤田 正樹氏

休 憩(14:45~14:55)

基調講演2(14:55~15:55)
テーマ 「クリーニング事故賠償基準」
講 師 一般財団法人日本消費者協会 理事長 長見 萬里野氏

閉会式(15:55~16:00)

家庭用品品質表示法とクリーニング事故賠償基準の2つの観点から見る消費者利益の擁護等について、それぞれ講演が行われました