当協議会では、クリーニング事故防止を目的として、クリーニング、アパレル、検査機関、消費者団体等といったクリーニング関連業界の交流の場となる事業を展開してしております。

その一環として、それぞれの業界関係者が自らとは異なる業界の現場等を見学し、相互理解を深めるための業界交流見学会を開催しています。今年度は2月に世界のカバン博物館、および株式会社白洋舍を見学しました。

世界のカバン博物館(アパレル業界)

2月3日(水)に、クリーニング業界、アパレル業界、検査機関を中心とした参加者10名がカバンメーカーであるエース株式会社の運営する世界のカバン博物館(東京都台東区)を見学しました。本見学会は各業界で取り扱うことのあるカバンについて理解を深めることを目的としたものです。

世界のカバン博物館は昭和50年(1975年)に開館し、世界各地から集められた約550点のカバンを所蔵し、カバンの文化や歴史、製造過程を紹介しております。

展示は5つの展示エリアに分かれております。カバンの起源や発展史を紹介した1.カバンの歴史、カバンの製造過程などを紹介した2.カバンのひみつ、約550点の所蔵品からセレクトされた3.世界のカバンコレクション、著名人から寄贈された愛用のバッグを展示した4.わたしのカバン、カバンに関する文化やファッションなどの話題をテーマごとに展示している5.企画展示エリアとなっています。
2.カバンのひみつでは、国内にあるスーツケース工場の製造工程や、「落下衝撃テスト」や「転落テスト」などの耐久試験が動画で紹介されていました。また、3.世界のカバンコレクションでは竹などの自然素材で作られたものや、有名ブランドの古いカバンなどが展示されており、参加者の興味を集めていました。

株式会社白洋舍(クリーニング業界)

2月22日(月)には、アパレル業界、検査機関、消費者団体などから32名が参加し、株式会社白洋舍 東京支店 多摩川工場を見学しました。

白洋舍の五十嵐素一代表取締役社長が挨拶をした後、同社の洗濯科学研究所の高坂孝一所長と長谷川千恵主任研究員が講師となり「アパレルのためのクリーニング講座(冬物衣料のクリーニング編)」をテーマに講演を行いました。

水洗い(ランドリー・ウエットクリーニング)、ドライクリーニングといった洗浄方法の違いや受け付けた衣類の洗い方を判別する基準、カシミヤ混のコートやダウンウエアなど冬物衣料の洗浄方法やトラブル事例を紹介しました。加えて、白洋舍で取り扱っている各種加工の特徴や効能について説明を行いました。
講演の後は、3つのグループに分かれて工場見学しました。法人を主な対象とするD&B(無塵衣・無菌衣クリーニングシステム)によるユニフォームクリーニング、毛皮等の特殊品、ランドリー、ドライクリーニングとエリアごとに区分けされたクリーニング工程を見学しながら使用している溶剤やクリーニングの際の注意点を学ぶと共に、技術研鑽のための社内資格制度についても説明を受けました。
最後には同社に併設されている五十嵐健治記念洗濯資料館にも立ち寄り、日本のクリーニング業の歩みについてパネルや当時の機器を見学しました。