日本繊維製品・クリーニング協議会(角田光雄会長/以下、日繊ク協)は、6月15日(金)に第17回通常総会を全国クリーニング会館で開催しました。

開会の挨拶で、角田会長は「日繊ク協交流会議と業界交流見学会、日繊ク協セミナーを3本の柱にした平成29年度事業の方向性を引き継ぎ、平成30年度の事業を進めていきます。
また、生命を維持する衣食住の活動のうち衣生活は人間固有のものであることから、快適な衣生活を送るために引き続きクリーニング事故防止に取り組んでいきます」と話しました。

総会前の特別記念講演では、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の福長恵子常任顧問が「衣類にまつわるトラブル事例~消費生活相談窓口より~」をテーマに、日本における消費者保護の成り立ちや考え方、消費生活センターの活動と近年の消費者相談の傾向をクリーニングと絡めながら説明しました。

日本では1960年代の大量生産・大量消費の時代に事業者と消費者の間で情報量や交渉力の格差が生じたことから、消費者を守るために消費者保護基本法が1968年(昭和43年)に制定されました。
その後、経済成長やIT化、国際化などの社会の変化に伴い、2004年(平成16年)には消費者保護基本法を抜本的に見直し、消費者自身も学び、自立すること支援する内容を含んだ消費者基本法が定められました。
なお、消費生活センターはこの消費者基本法を根拠法として、消費生活相談の実施や消費者と事業者とのトラブルに関する助言、情報提供、斡旋を行っています。
近年の消費生活相談では健康食品などの定期購入に関する相談や海賊版・コピー商品などのニセモノ、還付金詐欺が増加してきているほか、通信販売に関する相談は2016年度で全体の約37%と、販売購入形態別で最も高くなっていることを紹介しました。
特にインターネット販売は消費者が能動的に利用する性質のためクーリング・オフ制度がなく、現物が見られないため誇大広告、優良誤認・有利誤認、あるいは誤った組成表示などの表示全般が問題となっております。
またクリーニングトラブルにおいても、クリーニング全体の相談は件数・割合ともに年々減少している一方で、インターネットや宅配といった通信販売によるトラブルは2009年度の17件から2017年度の311件へと20倍近く発生していることを説明しました。
福長氏は、事業者・行政・消費者が連携して商品の企画や品質管理、メリット・デメリットや商品の取扱いなどの情報の共有化、適正な価格での売買を行うことで、消費者が自分の意思で自分にとって正しい選択を行うことが大切だとしました。
加えて、トラブルが起きた時には事業者が消費者に説明を行うなどの解決に努めたうえで、それでも消費者が納得しない場合には消費者センターも活用してほしいと述べました。

続く総会では上程された全ての議案が承認・可決されました。また、任期満了に伴う新理事の選任が行われ、会長に角田氏が再任されました。
平成30年度は、平成29年度も好評であった日繊ク協交流会議および業界交流見学会、日繊ク協セミナーについて、今まで以上に内容の濃いプログラムとすることでクリーニング事故防止に取り組み、信頼され、支持される日繊ク協を目指していきます。

日本繊維製品・クリーニング協議会 平成30年度事業計画 概要

1.クリーニング事故防止に向けた取組み

「繊維製品の事故事例と未然防止(仮題)」をテーマとする第12回日繊ク協交流会議をCLV21-2018東京国際クリーニング総合展示会の会期に合わせ会場の東京ビッグサイト周辺で開催します。
加えてクリーニング工場やアパレルの品質管理の現場を知るための業界交流見学会や、毛織物と羽毛製品に関する日繊ク協セミナーの開催を予定しています。

2.ホームページコンテンツの充実

クリーニング事故事例やリコール情報などを掲載してクリーニング事故防止に努めるとともに、取扱表示についても適宜情報提供を行います。

3.PR事業

消費者行政の関係機関との交流を通じて消費者に対して日繊ク協をPRするとともに、官公庁および会員等が主催する会議へ委員の派遣を行います。