ボタンについて【2016年5月】

私たちの服にはボタンがついているものが多くあります。ボタンには身体に服を留めるという機能がありますが、加えて装飾も兼ねていることもあります。今回はいろいろな種類のボタンをご紹介します。

ボタンと呼ばれるものには、大きく分けて糸で生地に縫い付けるものと機械で圧力をかけ生地に留め付けるものがあります。

糸で縫い付けるボタンは、素材別に分類すると4つに分けられます。

プラスチック素材

 
ラクトボタン(カゼインボタン)、ナイロンボタン(ポリアミド樹脂)、アクリル(パール)ボタン(メタクリル酸樹脂)、ポリエステルボタン(不飽和ポリエステル樹脂)、ユリアボタン(尿素樹脂)、エポキシボタン(エポキシ樹脂)、ABSボタン(ABS樹脂)など石油から作る樹脂が原料のボタンなどが含まれます。プラスチック素材は染料で染めますが、余剰染料がボタン表面に残っていると、生地への色移りの原因となることがあります。

金属素材

真鍮ボタン(銅と亜鉛の合金)、メタルキャストボタン(錫系の低融点合金)、ダイカストボタン(亜鉛)、アルミニウムボタンなどでメタルボタンと呼ばれます。色はゴールド系、シルバー系が中心ですが、ツヤやツヤ消しなどでアンティーク風など様々です。金属素材は錆が発生しやすいのでメッキや塗装で防止していますが、高温多湿状態や生地の素材等により錆が発生することがありますので注意が必要です。

天然素材

貝ボタン、革ボタン、ナットボタン(椰子の実)、木ボタン、竹ボタン、骨・角(水牛)ボタンなどがあります。天然の素材が原料ですので、色移りや衝撃による割れや欠けなどに注意が必要です。

その他

ガラスボタン、パール(塗装)ボタン、セラミック(陶磁)ボタン、七宝ボタン、編紐ボタン、くるみボタン、組み合わせボタンなどがあり、装飾として使用されることも多いボタンです。

機械で圧力をかけ生地に留め付けるボタンは、ドットボタンと呼ばれています。金属製のスナップの一種です。スナップとは金属のバネ機構によって開閉する機能を持ったボタンのことです。生地を挟んで表側と裏側に金属のパーツを専用の機械で打ち付けます。形状や色、表面への刻印の有無など様々な種類があります。金属パーツが適正に打ち付けられていない場合、衣類の着脱時にボタン取れやボタンがはまらないなどが発生することがあり、また生地が弱いと裂けたりすることもあるので注意が必要です。

このようにいろいろなボタンがありますが、それぞれの特性に応じてアパレルは使用し、クリーニング時には注意して取り扱うことが望まれます。

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