ドライクリーニングとは?【2016年8月】

photo credit: Dry Cleaning via photopin (license)

ドライクリーニングとは?

ドライクリーニングは、お洗濯の場合の水の代わりに有機溶剤を使う洗い方です。有機溶剤は、主に、石油から精製する揮発性液体です。石油系溶剤よりも溶解力の大きい、パークロロエチレンという有機溶剤も使用されています。

ドライクリーニングの長所と短所

お洗濯(水洗い)に比べてドライクリーニングの長所は主に次の事が挙げられます。

  1. 油汚れをよく落とす。
  2. 型崩れや収縮が起きにくい。
  3. 風合いが変化しにくい。
  4. 染色した製品の染料へのダメージは少ない。
  5. 乾燥が早く、仕上げ成型が楽にできる。

もちろん、短所もあります。

  1. 有機溶剤で洗うので水溶性の汚れが落ちにくい。(油と水の関係)
  2. 石油系溶剤は、引火性があるので、扱いに注意しなくてはならない。
  3. 溶剤管理が適切でない場合などに、衣類を再汚染させることがある。

などが挙げられます。
ドライクリーニングではその短所を補うため、ドライ用ソープ(洗剤)を添加します。ソープは、水溶性の汚れを落ちやすくしたり、静電気の発生を抑えることで引火爆発の危険性を低減させたりします。

ドライクリーニングは、あくまでも溶剤で洗浄するので水溶性の汚れを十分取るとはいきません。それを補うには、しみ抜きやウエットクリーニング(汗抜き、ダブルクリーニング)などを併用します。

ドライクリーニングで注意すべきファッション製品

近年の、多様化したファション性の高い素材や装飾の多くは、有機溶剤や熱、機械力などに弱い傾向があります。ドライクリーニングに適さない代表的な製品を以下に挙げます。

  1. 合成皮革(ポリ塩化ビニルやポリウレタン樹脂使用)
  2. 接着樹脂で縫製している製品
  3. 樹脂顔料を使用した製品
  4. 樹脂製のビジュー装飾が付いている製品

これらは耐ドライクリーニング性が低く、取扱い表示がドライクリーニング可でも、不具合が生じるケースがあります。
新しい取扱い表示には、ファッション性が高く耐溶剤性が低い製品などの新しい洗浄方法としてⓌで表示されるウエットクリーニングがあります。
ウエットクリーニングはプロの技術による水洗い洗浄と仕上げを行います。
クリーニング業界は、ドライクリーニングとウエットクリーニングを適切に行えるよう、研究をすすめています。

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