洗濯物の臭い【2019年5月】
清々しい春の陽気から、鬱陶しい梅雨の季節が始まろうとしています。
こんな時洗濯しても天日干し出来ず、部屋干しの機会も多いと思います。
そこで気になるのが洗濯物の臭い。今月のキーワードは、洗濯物の臭いについてです。
洗濯物から発生する臭いの主な原因は細菌やカビによるもので、これらが洗濯物に付着し増殖していくと臭いを発します。
この臭いを防ぐためには細菌やカビの発生を抑えることが重要です。
細菌やカビは、一般的に適度な温度(細菌は20~40℃、カビは20~30℃)、60~80%以上の湿度、汗や皮脂などの栄養分が揃えば繁殖しやすくなります。
部屋干しでは、これらの条件が揃うことが多く、嫌な生乾き臭が発生しやすくなります。
生乾き臭の原因となる主な細菌は、モラクセラ菌。カビではクロカビ、アオカビ、コウジカビなどが存在します。
ここ数年前から、これらの細菌やカビの繁殖を抑える機能を持つ衣類なども販売されており、生乾き臭が発生しにくくなっています。
抗菌性や抗カビ性の評価にはJIS規格が定められており、その効果基準が参考として記載されております。
JIS L 1902:2015 繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果
抗菌性試験の抗菌効果(参考値)
抗菌活性値2.0以上3.0未満→効果が認められる
抗菌活性値3.0以上→強い効果が認められる
JIS L 1921:2015 繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果
抗かび性試験の抗かび効果(参考値)
抗かび活性値1.0未満→効果が認められない
抗かび活性値1.0以上2.0未満→弱い効果がある
抗かび活性値2.0以上3.0未満→効果がある
抗かび活性値3.0以上→強い効果がある
このような抗菌性や抗かび性を有する繊維製品を使用されると、生乾き臭が抑えられる可能性が高いと思われます。
また部屋干し用洗剤も多数出ており、これらを使用すると効果が得られると思われます。
その他の生乾き臭の防止策として、次のようなことも試してみてください。
1.部屋干しする際は、風など当てて出来るだけ早く乾かす。(湿度を抑える)
2.干す際になるべく隙間を空けて空気の通りを良くする。(湿度を抑える)
3.洗濯物は溜めずにこまめに洗濯する。(溜めている間に細菌やカビが繁殖しやすくなる)
4.洗濯時に40℃程度の温水を使用する。(汚れが落ちやすくなる)
5.酸素系漂白剤を併用する。(除菌、殺菌作用がある)
いろいろ試してみて、この梅雨は生乾き臭から解放されたいですよね。