紫外線遮蔽の素材と評価方法【2019年6月】

紫外線は4月~6月が最も強くなる季節です。今回は紫外線にまつわる話をお届けします。

太陽光は、赤外光、可視光、紫外光の3つに分類され、光はnm(ナノメートル)という波長の単位を用いて表されます。一般的に可視光(人間の目で見ることができる光)の波長領域は400~780nmで、この可視光域より短い波長の280~400nmを紫外光(又は紫外線)、可視光域より長い波長の780~3000nmを赤外光(又は赤外線)と言います。紫外線は、日焼けや皮膚がんを引き起こす悪者として捉えられていますが、実は殺菌作用を持っていたり、オゾン層生成にも役立っています。

紫外線による日焼けなどを少しでも減少させるために、衣類や日傘などで紫外線遮蔽する繊維製品が開発されています。ポリエステルなどにセラミックスを練り込ませ、紫外線を吸収し拡散する繊維や、紫外線吸収剤などの薬剤を付与した後加工による繊維を用いることで紫外線を遮蔽します。

従来、紫外線遮蔽性を評価する方法は、アパレル製品等品質性能対策協議会(日本化学繊維協会)による方法が主流でしたが、JIS L 1925が新たに制定されました。このJIS規格では、紫外線遮蔽率に加え、UPF(Ultraviolet Protection Factor/紫外線防護係数)の評価も可能となりました。
UPFとは、素肌で紫外線の影響を受ける時間に対し、例えばUPF20の衣服を着用すると素肌と同程度の紫外線の影響を受けるのに約20倍の時間を要する(紫外線の影響を受けにくい)ことを意味します。UPFの格付け値は、UPF50+、UPF50、UPF45、・・・と5刻みでUPF15及びUPF適用外の合計10段階で表すことができます。

紫外線遮蔽率(UVカット)やUPFの表示がされている商品をうまく利用して、紫外線対策に役立てるとよいですね。

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