SDGs「持続可能な開発目標」と繊維ファッション業界の動き Sustainable(持続可能な)、Development(開発)、Goals(17の大目標169のターゲット)【2019年9月】


SDGs「持続可能な開発目標」と繊維ファッション業界の動き Sustainable(持続可能な)、Development(開発)、Goals(17の大目標169のターゲット)

環境と開発をどう両立してゆくのか。
国連に加盟する193の国々がつくりあげた2030年を目指す希望の目標です。国々・自治体・企業・様々な組織や人々が目指して歩き始めています。

地球の資源には限界があるのに、大量生産、大量消費の今の経済、豊かな人と貧しい人の格差が広がる社会、極端な暑さや気候変動で悲鳴が聞こえはじめた地球環境、様々な課題がつながって厳しい状況をつくりだす悪循環など、このままでは未来は行き詰まってしまいます。こうした危機感から生まれたのがSDGsです。

17のゴールは、社会分野(1・2・3・4・5)、経済分野(8・9・10・11・12)、環境分野(6・7・13・14・15)、横断分野(16・17)に分類されます。
「地球を破壊から守る」「だれ一人取り残さない」、2030年の世界をどのような世界にするのか、一人一人が問われています。

アパレルの業界団体では、貧困や地球環境などの課題解決、持続可能なより良い社会の実現に向けてCSR憲章を策定し、その活動をはじめているところもあります。
業界の健全な発展と持続可能な社会の実現のために、自らの社会的責任を認識し行動するという指針を下記のように策定しています。

1、人権
私たちの事業活動に関わるすべての人々の人権を尊重し侵害することの無い経営を行います。
2、労働慣行
私たちは従業員の個性を尊重し、平等で公正かつ健全な職場環境を整備します。
また、事業活動に関わるすべての労働者の安全と健康に配慮した労働環境の向上に努めます。
3、環境
私たちは環境への負荷を最小限に抑え、限りある資源を大切にし、未来に向けた豊かな自然との共生に努めます。
4、公正な事業慣行
私たちは、公正で自由な競争を尊重し、責任ある取引と調達を行います。各種法令を遵守するとともに、国際行動規範に照らした倫理的な事業活動を促進します。
5、消費者・顧客
私たちはお客様に安心で安全な商品を提供するとともに、誠実で信頼にこたえるサービスの確立に努めます。
6、コミュニティーへの参画と発展
私たちは、愛される企業市民として社会とのつながりを大切にし、関係する地域の豊かな未来創りに貢献します。
7、組織統治
以上の社会的責任を果たすために、私たちは、社内外での誠意ある対話を通じて、明確で透明性のある意思決定を行う組織体制を確立し、統治された責任ある行動を実践します。

繊維ファッション業界のこのところの具体的な動きでは、例えば、工場の監査項目の標準化や中古衣料の回収などの促進、店頭で購入客に渡すビニール袋などの「プラスチック問題」についての調査などがあります。
情報システム、物流、無線自動識別(RFID)タグなど、デジタルを使った省人化や生産性の向上の取り組みも進んでいます。また、共同配送など環境に配慮した物流の推進もしています。
原材料調達の分野では、環境配慮型やエコ素材の提案が進み、グリーンダウン、オーガニックコットン、オーガニックウール、再生ポリエステル、再生ウール、リサイクルウール、エコデニムなど、対応が進んでいます。

未来の世界をより住みやすく平和なものへ社会や世界をどう変えていけばいいのか、いろいろな立場の人たちが話し合い、一人一人が議論に加わって、社会の主役になって行動を起こしていくことが求められています。

Follow me!