エンボス加工【2020年2月】

名刺で会社のロゴ等が、浮き上がっているものを見たことがあると思います。この浮き上がった加工は、型押し加工と言い一般的にはエンボス加工と呼ばれます。今回は生地や皮革に施すエンボス加工のお話をします。
エンボス加工を施す手法として、ローラーを使って型押しするローラーエンボス加工と、平板を使って型押しする平板型押し加工があります。ローラーエンボス加工は、模様や柄を彫ったローラーに生地や皮革を通し浮き出し模様を付けます。この時ローラーは加熱されており、熱で素材を柔らかくしながら加圧して型押しします。ポリエステルなどの熱可塑性を有する化学繊維は、エンボス加工が可能ですが、綿などの天然繊維はそのままではエンボス加工が出来ませんので、ローラーを通す前に樹脂を含浸させることでエンボス加工が可能になります。ただし樹脂を付着させるため風合いが硬くなるデメリットがあります。平板型押し加工は、模様や柄を彫った平板を生地や皮革に押し付けて浮き出し模様を付けます。
エンボス加工は、爬虫類柄や市松模様のような柄を施したり、ブランド名やロゴだけを浮き上がらせて目立たせることも簡単に可能です。その反面、洗濯や摩擦に対する耐久性に注意する必要があります。頻繁に洗濯・着用・使用することや、アイロン掛けによりエンボス加工が元の足らな状態になることもあります。エンボス加工した製品には、次の様な注意表示を付記することが望ましいです。

・凹凸は永久的なものではありません。
・着用や洗濯を繰り返すことで凹凸が減少することがあります。
・摩擦や圧迫で凹凸が乱れたり減少することがあります。

エンボス加工製品を作る側も、使う側も製品特性を理解して長くお付き合いしてください。

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