マスクの種類とその性能【2021年3月】
コロナ禍の中、マスクを着用するのが当たり前になりました。2020年4月頃、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大に伴いマスク不足が始まりましたが、その当時のマスクはポリプロピレン不織布製が主流でした。その後、布製マスク(又はポリウレタンマスク)が多く販売され、今ではおしゃれやスポーツを楽しむため、ファッションマスクやスポーツ用マスクと称されています。
マスクの種類は、「産業用マスク」、「医療用マスク」、「家庭用(又は一般用)マスク」の3つに分かれます。「産業用マスク」は粉塵等の労働災害防止のため、厚生労働省で法制化されたマスクのことです。「医療用マスク」は、サージカルマスクとも呼ばれ医療用として感染防止を目的とした不織布マスクです。国内での規制や規格はありませんが、欧米では規制されており一定の規格をクリアする必要があります。「家庭用マスク」は風邪、花粉対策などの目的で使用され、布(又はポリウレタン)や不織布タイプがあります。
欧米において医療用不織布マスクで規定されている性能は、細菌飛沫捕集効率(BFE:Bacterial Filtration Efficiency)、微粒子捕集効率(PFE:Particle Filtration Efficiency)、圧力損失、人工血液バリア性などがあります。
BFEは、細菌を含むエアロゾルを不織布フィルターがどの程度捕集できるかを評価します。PFEは、微小粒子(例えば0.1μm)を不織布フィルターがどの程度捕集できるかを評価します。圧力損失は、マスク着用時における呼吸のしやすさを評価します。人工血液バリア性は、外科手術中に患者からの返り血を浴びても浸透しないかを評価します。これらの評価で一定以上の水準をクリアしないと医療用マスクとして使用することが出来ません。
マスクの性能は、不織布フィルター材によって大きく異なります。布製マスク(又はポリウレタンマスク)では通常不織布フィルター材を使用していないため、細菌などを含む飛沫物はある程度通過させてしまいますが、花粉などの大きな粒子は捕集する性能があると言われています。家庭用不織布マスクの中には、BFEやPFEの評価をして医療用マスクに近い性能のものもあります。気になる場合は、マスクのパッケージに表示されていますので確認されたらいかがでしょうか。