繊維製品の難燃・防炎性について


燃えにくい性質のことを「難燃性」や「防炎性」という言葉で表現しますが、繊維業界では厳密に言うとこの2つの言葉の意味は異なるようです。難燃性とは、繊維そのものが燃えにくい性質を持っていることで、防炎性とは繊維自体は燃えやすいのですが防炎加工をして燃えにくい性質を持っていることのようです。
難燃性を持つ繊維は、アクリル系(モダクリル)などがあります。また、ポリエステルやビニロンなどを製造する際に、フッ素などのハロゲン系化合物やリン系化合物を共重合させ、繊維そのものを燃えにくくする特性を持たせる難燃性繊維もあります。
一方、防炎性を持つ繊維は、綿素材などにリンまたはハロゲン系化合物を染色時に吸着させる方法や、繊維製品を防炎剤水溶液に浸漬し乾燥や熱処理する方法などで燃えにくくする特性を持たせます。

この難燃性や防炎性を付与した繊維製品は、カーテン、じゅうたん、布張り家具(ソファー、ベッドマットレス等)などのインテリア品や、布団、シーツなどの寝装品が多く占めます。一部ですが介護用などで使用するパジャマやエプロンに難燃性や防炎性が付与されています。
消防法施行規則では、「防炎物品」が規定されており、公な建築物では防炎物品を使用することが義務付けられています。その対象建築物として、劇場、映画館、集会場、カラオケボックス、飲食店、百貨店、ホテル、病院、老人ホーム、乳児院、幼稚園、31メートルを超える高層マンション(全ての階層で義務化)などです。また、燃えにくいことの評価基準も消防法施行規則で決められています。

総務省消防庁の消防統計(2020年1月~12月)によれば、総出火件数が34,602件、火災による総死者数は1,321人、住宅火災による死者数の約7割が65歳以上の高齢者、出火原因の1位:たばこ、2位:たき火、3位:こんろ、4位:放火となっています。
カーテンやじゅうたん、布団やシーツなどは、難燃性または防炎性のある製品を使用することを考える必要があるのかもしれません。

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