色泣きについて【2012年8月】
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色泣きとは、濃淡(白を含む)のある生地において濃色部から染料が流れ出し、淡色及び白場を汚染させる現象を言います。色泣きが起きる原因は商品の素材、クリーニング・洗濯方法によりいくつかあります。
1.ポリエステル素材で柄物・プリント・縫製切り替えによる濃淡配色製品ではドライクリーニングにより色泣きすることがあります。ポリエステルを染める分散染料は、繊維の内部に拡散することで堅牢な染着状態となりますが、その後の様々な工程で熱処理を受けることで染料が繊維内部から繊維表面に移行していきます。この染料がドライクリーニング溶剤で溶出し、乾燥時に淡色部へ移行し色泣きが発生するのです。
色泣きを防ぐにはドライクリーニング時にすすぎを十分に行ない、速やかに乾燥することが必要です。
2.綿、麻、レーヨンで柄物・プリント・縫製切り替えによる濃淡配色製品では、水洗い洗濯で色泣きすることがあります。一般的に綿、麻、レーヨンなどを染める反応染料は繊維に化学結合する染着力の強い染料です。染色後繊維と化学結合していない染料を洗い落とし(ソーピング)、繊維上に残ってしまう染料を色止め(フィックス)処理を行い、水に対し疎水性にすることで色泣きをすることを防いでいます。
しかし、これらの処理が不十分で湿潤堅ろう度の低い生地の場合、水を介して染料が移動し色泣きが生じます。
また、濃色製品を洗濯すると多かれ少なかれ染料の溶出がみられます。十分にすすげば問題ありませんが、すすぎが不十分である、あるいは湿潤状態で長時間放置された場合にも色泣きが生じることがあります。
色泣きを防ぐには水洗いの場合でもすすぎを十分に行ない、脱水後は速やかに乾燥することが必要です。