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体毛を徐々に失ってサバンナで直立二足歩行をするようになった人と被服との関係は、いつどのようにして始まったかについて考えてみます。体毛を失ってゆく長い過程で体毛にかわって樹枝や毛皮で身を包み寒さや外傷から身を守っていく過程が被服の出発点と考えることができます。

人間が衣類をまとうようになったのは約7万年前だったという説が、ドイツのマックス・プランク研究所のチームによって生物学の専門誌であるカレントバイオロジーに発表されています。人間に寄生するシラミのうち、衣類にすむコロモジラミは、頭にすむアタマジラミから枝分かれしたものです。そしてコロモジラミが現れたのは、人が裸の生活をやめて衣類をまとうようになった結果だと研究チームは推定したわけです。つまりコロモジラミの登場と衣類の起源はほぼ一致すると考えたわけです。

世界中の12ヶ所から2種類のシラミ計40匹を収集してDNAの突然変異を比べた結果、コロモジラミの出現は約7万年前であると推定されました。

衣類は有機物質ですから長くは残りません。衣類を縫ったとみられる針のような間接証明ですら古くても約4万年前です。

日本繊維製品・クリーニング協議会 会長 角田光雄